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虚鐸のこと

虚空先生・生誕百年記念吹禅会

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虚空先生・生誕百年記念吹禅会が、3月28日午前11時より白川公園茶室・海月庵にて行われた。
参加人数は海外からの14人を含め、ちょうど50人。懐かしい顔ぶれが ここ熊本に集い、最高の時を過ごした。

式は、献茶~献曲「追慕」(虚流先生)~献花~妙さんへの花束贈呈~謝辞
午後の吹禅会は、まず「一二三」「京調子」「大和調子」を全員で吹き、後は独奏が続き、最後は全員で虚空先生作曲の「追慕」で終わった。

休憩では、奥にある三畳台目の茶室「不言居」で薄茶を頂き、日本文化に存分に浸った一日だった。

夜のパーティーは、手取神社参道にある「Hal`s Bar」
その後、私は東京や長野から来られた方達とラーメン「天外天」へ。
# by bluelotus7 | 2015-04-03 00:20 | 吹禅会

虚鐸とは…

虚鐸伝記という古書によると…

中国の唐時代の奇僧・普化禅師が托鉢のときに使用した“鐸”という法器の音を模して 張伯という門人が竹の縦笛を作った。
そして 師が鐸を振った際の音「ボーン 」に続いて笛を「ブー 」と吹いて 師の後を追って歩いたことから その縦笛 即ち一音しか出せない 指孔のない縦笛のことを“虚鐸”と呼称したのである。

・・しかし いつの頃かその笛も絶え その名称も消えてしまった。

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現在“虚鐸“と呼ばれている縦笛は 西村虚空(1915~2002)創作の竹の縦笛のことをいう。

これは 古来から虚無僧が伝えてきた本曲を 氏が「心を落ちつかせるには 上ずった高音より 低音こそ…」と 古い製管法の研究を重ね 作ったもので 秘伝ともいえるものである。

日本全国を演奏しながら虚無僧としてまわり 厳しい自然に戯れ 多くの人々との出会いのなかで磨かれ 生まれたものである。

それは彫刻家として また武道家としても 卓越した感性と腕前とを持ち合わせていたからこそ 生み出されたものといえる。

虚鐸は 尺八によくみられる中継ぎという方法はとらず 竹本来の特性を活かしてつくられる。

寸法は尺八の54センチより長く だいたい2尺6寸(約78センチ)程を基本とし なかには三尺を越えるものもある。

長くなれば長いほど 低音になっていくのである。

演奏は尺八よりも息を中に吹き入れ 低音のゆっくりした瞑想的な曲となる。
 
最近 長い尺八を虚鐸と称して吹く人もあるが “虚鐸”は長い尺八か?というとそうではない。

笛の中の構造も孔の位置も 尺八とは微妙に違い 氏が意図した曲の方向性にあわせて製管しているため 氏本人が制作したものと その弟子の作った一部のみが“虚鐸”だといえる。

                             ◇

ところで 西村虚空の縦笛を“虚鐸”と呼称するようになったのは 東京「文化人の集い」(棟方志功・三角 寛…)に端を発する。

1954年 有楽町・日本倶楽部での「西村虚空の竹を聞く夕べ」で 氏が「阿字観」という曲を吹いたときのことである。

「尺八とは全く似ても似つかない。長さも長く 音も違う・・。」

「何か縦笛本来の…というような名称をつけたらどうか?」

と提案され 普化禅師のことなど話したところ その虚鐸こそ相応しいということになり それ以来 氏の作った竹の縦笛を“虚鐸”と呼ぶことになったのである。

English
# by bluelotus7 | 2013-02-07 22:51 | 虚鐸とは…

蒼影

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これは蒼影という約3尺の竹である。
16歳の娘は、指は届かないながらも上手に音を出す。
構えもなかなかだ。
中学生の頃、フルートやピッコロを吹いていたからコツがわかるのだろう。
以前、家庭訪問に来られた先生が、娘が音出せるのに自分は全く鳴らないのを
悔しがり、家庭訪問が虚鐸の練習会になったのを思い出す。
# by bluelotus7 | 2012-10-07 07:56 | 虚鐸

デンマークより

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コペンハーゲンから虚鐸の稽古に来日されフレミングさんと浮島館近くの仏誓寺にて。

トロンボーン奏者で 彼も参加しているCDを頂いた。
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# by bluelotus7 | 2012-03-20 18:36 | 来客

護王さんの杉

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「虚空先生をご案内したかった・・」と 以前 阿蘇の中村さんが言われていた“護王さんの杉”。
こんな暴れた杉はかつて見たことがない。
数年前 落雷で主幹が折れ空がすっぽり見えるようになったとのこと。

樹齢千年、幹周り約7メートル。
下城の大イチョウ、白水の一心行の大桜などと並び阿蘇を代表する巨木である。
なぜか このような巨木を見るといつも虚空先生と重ねて見てしまう。

巨木は幹や枝ぶりは迫力あるが 逆に葉や花は小さく可愛くなっていく。
大イチョウの葉も一心行の桜の花もそうである。

虚空先生は「ヒメ・・」と名のつくような可憐な山野草をいつも愛でられていた。
そういうお姿を拝見していたので自ずと重なるのかもしれない。

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3尺管“蒼影”を吹いてみる。
# by bluelotus7 | 2011-04-05 00:47 | 自然